8 Japanese Women(見本)

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  • 7 years ago
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亜矢子

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強い女ってどういうものだろう。ストレートに話せるタイプ?我慢強い人?それとも、激しい苦痛の中でも、価値観を妥協せずに自分を維持して行く女?亜矢子はまさにそれだった。

今にして思えばあの時は本当に大変だった。僕だったらきっと精神的に崩れてしまったと思う。自分がどれほど悩んでいたかを誰にも見せなかった亜矢子を尊敬せざるを得ない。

最初は、僕たちは幸せで 、その後の嵐が来ることを全く予想できなかった。特に韓国旅行は素敵な思い出である。どこかの湖で亜矢子と小舟に乗って、2時間ものんびりしていたら、下りてから普通に歩けなくなっていて2人とも笑ってしまった。周りの韓国人が僕たちをじっと見ていた。きっと変な旅行者だと思われていただろう。 酔っぱらいのように互いに支え合って、キムチラーメンを食べに行った。

食事を頼んで待っている間に、ハングルの文字を思い出そうとしたらやっぱり無理で、結局諦めて新型ハングルの「アヤグル」という文字を発明した。それを使ってメッセージをやりとりしていた記憶がある。次第におかしなメッセージになっていき、亜矢子の顔が真っ赤になったので途中でやめた。つまらないって僕は文句を言ったけど、その直ぐ後ラーメンが来た。

そういえば亜矢子の顔が大好きだ。美人とは言えないけど、一度見ると一生忘れられない顔である。そしてその顔を見れば見る程心の底から極端な感情が生じて、相当恐ろしいパワーを持っている顔だと思わずにはいられない。変な見方ではないかと思うけど、正直に言えば一番魅力的なのは、その顔に刻まれた深い切なさである。慰めたくなる。最初から慰められないことは明らかだけど。

そんな亜矢子は、ある日、突然僕に愛を告白してきた。え!っと思った。今、付き合っているのに。愛があって当たり前では? そこで自分がどんな軽くて表面的な奴であるかが分かってきた。

「男って空気読めない、鈍感。」と良く言われる。でも、いつも「僕を除いてね。」と思ってしまう。

亜矢子が極端に情熱を隠していたのは知らなかった。僕は自分が普通で全く特徴の無い者だと思っていたのに、こんなに夢中な対象になっていたこと。それは、正直怖いことだった。その怖さが僕の顔に現れたことが彼女を非常に傷付けてしまい、それは亜矢子の苦痛の始まりだった。

その後、自然に行動できなくなった。緊張しすぎたり、言葉を慎重に選んだりして変な関係になった。それも亜矢子の悩みだったろう。何度も「あたしがわがままを言って全部壊してしまった。」と彼女は言い、僕がいくら否定しても聞いてくれなかった。彼女はもう全て嫌になっていたのに、僕のことに夢中であり続け、別れ たくても出来ない可哀想な状態だった。僕は優しくしようとしていたけど、今考えたら僕の行動や態度はどう考えても駄目だった。

2年間もその状態が続いた。どちらかというとその情熱はどんどん激しくなって、僕はどんどん怖くなっていた。でも一度も迷惑、面倒くさいとは思わなかった。やはり亜矢子のことを非常に大切に想っていたからだ。ただ、その激しい情熱は僕と比べ温度差があった。

恐らく別の人だったら、欲求不満でアルコールを飲み過ぎたりすることでそういった大変な状況から逃げようとしただろう。でも亜矢子はどんな悔しさがあっても自分自身を失いたくない一心で、いくら傷付いても結局いつもの亜矢子と変わらないように振る舞っていた。

最終的にどうなったか・・・。ある日亜矢子が話があると言うので近所の韓国料理に一緒に行った。そこで「色々と考えたところ諦めることにした。」と。 それだけ。亜矢子の強力な決意で解決した。直ぐ後にキムチラーメンがきて、食べながら楽しい会話をして結構盛り上がっていた。

それから素晴らしい友情が誕生し、今でもその友情は続いている。こんな強い女を尊敬する。亜矢子を尊敬する。いつまでも亜矢子のことを大事に想うことしかできない。

8 Japanese Women

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